本日は当店が使用しております、ニールズヤードレメディーズ
歴史やこだわりについてお話していきたいと思います。
ニールズヤード レメディーズは、1981年にロンドン・コヴェントガーデンに生まれた2坪ほどの小さなアポセカリーから始まった。まだ“オーガニック”という言葉が一般的でない時代に、ナチュラルレメディ(自然療法)を応用した考えのもと、厳選した植物素材にこだわった精油やハーブエキスを使用した健康的なライフスタイルを提案。創業時のその精神は、30年以上たった現在も、ブランドの信念・製品開発のポリシーとして脈々と受け継がれている。
創業者のロミー・フレーザーは、イギリスの田舎で生まれ、自然に囲まれながら幼少期を過ごした。また、祖父がアポセカリーを営んでいた影響もあり、体調管理のためにハーブを使うことに慣れ親しんで育つ。彼女にとって自然はごく当たり前にそこにあるもので、人生の一部だったという。ニールズヤード レメディーズの根底にある“ナチュラル&エシカルなライフスタイル”や、本質的な意味での“心と身体の美や健康”というテーマは、彼女のそういった生い立ちから当然のように湧き上がってきたものなのだろう。
師に恵まれ、学校が好きだったというロミー。人々が争いごとのない平和な生き方を見出すためには、良い教育が必要であるという気づきに至った彼女は、教師という職業に就き、“いつか自分の学校を創立したい”という夢を抱くようになった(これは後に、ナチュラルレメディの教育を提供するというカタチで実現した)
1981年当時は、ナチュラルレメディを実践したくとも、良質なハーブなどの製品から情報に至るまで、あらゆるものの入手が大変困難な世の中だった。自然療法は近代療法の波に押され、人々や社会はそれらを使いこなす知識や術をいつのまにか無くしてしまっていたのだ。そのため、家族の健康管理にナチュラルな製品を使いたいと思えば、ハーブはハーブの専門店、ホミオパシーはホミオパシーの薬局、精油はまた別の店……と、ばらばらに買い揃えていかなければならなかった。ナチュラルレメディの思想を生活に取り入れるのは、手間や時間がかかることだったのだ。
この頃、環境や人に配慮した事業を展開しようとしていた知人から誘いを受けたロミー。私生活で精油やホミオパシーなどを活用していた彼女は、それを機にナチュラルレメディの道へと進むことを決意する。
そして自らハーブを買い付けて販売し、さらに自然療法についての教育も行なっていく、という一連のビジネスをしてみたいと考え、ショップをオープンした。これが「ニールズヤード アポセカリー(後にニールズヤード レメディーズに社名変更)」の始まりである。ナチュラルレメディを実践するための、さまざまなアイテムを一か所で揃えられ、同時によりヘルシーなライフスタイルを送るためのノウハウもアドバイスできるワンストップの専門店だ。
創業時のヨーロッパ市場は、環境に配慮した安心・安全なものをコスメに使用しようとするムーブメントは多少あったものの、それもまだまだ萌芽程度。オーガニック原料を使用することを徹底したナチュラルコスメは殆どなかった。そのためオーガニックのハーブを栽培している生産者も思うように見つからず、やっと見つけたとしても規模の小さいものだった。それならばと、ロミーは生産者と共にハーブのオーガニック栽培を行うことを始める。さらに継続的に買い付ける契約を結ぶことで、誠実な生産者を開拓し、安定した製品生産を実現していったのである。
こうしてスタートした第1号店は、環境に配慮した店舗設備にもこだわった。商品棚は地元のシアターの廃材を使用して製作したり、ドライハーブを入れるジャーはヴィンテージのキャンディジャーを入念に洗って再利用するなどした。現在に至るまでニールズヤード レメディーズの製品を象徴しているブルーのガラス化粧瓶は、“品質の保持”の観点とともに、“リサイクル可能”であるという点から採用したものだ。ラベルにも、環境に負荷がかかりにくいアセテートを使用している。
その後、ニールズヤード レメディーズは英国で初めてソイル・アソシエーション(英国土壌協会)認定を取得し、さらにオーガニックのヘルス&ビューティ企業として認定されるなど、大きく躍進した。
認定制度が生まれたことにより、オーガニックの基準はよりはっきりし、不足していた生産者も増えていった。こういった背景もあり、オーガニックやナチュラルレメディへの社会的ムーブメントが巻き起こった。これは一時的なブームではなく、人々が真実の健康や美に向き合い、まるで忘れていた感覚を取り戻していくかのように、ナチュラルで倫理的な製品に心を向けていったからだろう。そしてニールズヤード レメディーズの存在が、こういったニーズを生み出すきっかけに大きな影響を与え、背中を後押したことは間違いない。
2005年、ロミーは遺伝子組み換え作物の使用に異を唱え続けるなど、環境や健康問題に働きかけているピーター・キンダースリーに自社を譲渡することを決めた。ロミーは、「会社の価値というものは、常に一定ではなく、より深くなっていくべきもの。自社を委ねるにあたり、ピーター以外の人は考えられなかった」「会社が成長し続けるためには新しいエネルギーが必要。ピーターは、ニールズヤード レメディーズの自然素材を活かした製品開発と継続可能なものづくりに対する歩みを曲げることなく導いてくれる存在だ」と語っている。
ピーターは、環境に負荷のないものづくりの意思を受け継ぎ、大学機関との合同研究などを進め、製品の品質向上を牽引していった。2011年には、深刻とされるみつばちの環境保護を訴える活動を実施し、英国ソイルアソシエーション協会主催の“ザ・ナチュラル&オーガニック アワード”にて賞(The Natural Products Achievement Award)を受賞。オーガニックビューティ&ヘルス業界の振興に功績をあげた人物として認められた。
ニールズヤード レメディーズは、創業から現在に至るまで、畑の状態や農家のあり方にまでこだわり続けてきた。しかし、ただ“オーガニック”に固執しているわけではない。サスティナブル(持続可能)でない原料は採用しないため、伐採による絶滅の危機があるサンダルウッドやローズウッドの精油は取り扱っていない。やみくもにオーガニックを謳うわけではなく、“何のためのオーガニックか”にこだわることも大切にしており、そこにブランドの価値があり、誇りが表れていると考える。本物のオーガニック(有機的な)コスメとは、倫理観や生産システムなどすべての繋がりを考慮し、総合的に紡がれ、形成されていくものだ。それは汚染物質を使用することなく植物の恵みを享受し、動植物と共生をしていくことであるとも言える。そして、そういったライフスタイルこそが、私たちの人生に彩りと豊かさをもたらしていくのかもしれない。
ロミーは語る。「本当の美しさとは、日々を幸せに暮らす人の、健康で華やいだほほえみのなかにある」のだと。その言葉通り、私たちは環境と自分自身に寄り添いながらやさしさを持って生きていくことで、オリジナルでプレシャスな美しさを手に入れることができる。ニールズヤード レメディーズは、このような“本当の意味でのオーガニックライフ”について考えるきっかけやチャンスを、今後も私たちに与えて続けてくれるだろう。
以上がニールズヤードレメディーズの歴史であり、思いであるのです。
そんな気持ち、思いがエッセンシャルオイルにプラスαでブレンドされているんですね(^^)/
本日も、肌Cureブログにお付き合いいただきありがとうございました。